最近タイムトラベルものの映画をよく見ていました。「プロジェクト・アルマナック」「タイムシャッフル」「プライマー」「オール・ユー・ニード・イズ・キル」「プリデスティネーション」全部興味深く面白い映画でした。話が前に行ったり戻ったりパズルのような感覚があって、何だかよくわからなくなるキツネにつままれた感が面白いのです。
有名なジュール・ベルヌの小説「タイムマシン」は社会風刺を含んだ未来旅行の大冒険談でしたが、タイムトラベルものの本当の魅力は、時間をさかのぼることができた場合、とんでもない矛盾が起こる可能性がある、タイムパラドックスの部分かと思うのです。
有名なタイムパラドックスのお話で「親殺しのパラドックス」というのがあります。もしタイムマシンを発明した人が、過去に戻って、まだ自分の母と出会う前の自分の父親を殺してしまったら、自分は生まれない。だからタイムマシンも発明されずに父親も殺せない。という矛盾が生まれてしまう。この矛盾に対してSF作家はもちろん、哲学者や科学者も巻き込んで様々な考え方が発表されたようです。
「そもそもそんなことは起こらない」とか「そのことも歴史におりこみずみ」とか「歴史が少しずつ修正されてうまく行く」「別の宇宙ができてしまう」「宇宙が消滅する」とか、、、、
他にも「バタフライエフェクト」や、そもそも論の「卵が先か鶏が先か」など何やら哲学的な匂いも放ちつつ、タイムトラベルものはSFの不滅のジャンルに成長してきた感があります。
最近見た中では「プリデスティネーション」が、こんなことも考えた奴がいるのかと、呆気にとられる因果のマジックを披露しているのです。原作はロバート・A・ハインラインの有名な短編SF小説。
宿敵との闘争で、顔に大やけどを負い、別人の顔になって最後の任務に就く時空警察官。バイオリンケース型のタイムマシンで過去に戻ってバーテンダーになりすまし、ある男を待つ。ある夜現れた客の青年をうまく引き込んで、青年の驚愕の人生を聴き始める。彼の話があまりに長くて、アレこれアクション映画じゃないな、、と、思う。ここがこの映画のマジックでこの後驚くべきタネ明かしが始まるのだ。しかし何かおかしい、何度か考え直しても確かにその通りつながっている。しかし大きなナゾは解けないままなのだ。「卵が先か鶏が先か」。。。思わせぶりですいません。この映画を見てキツネにつままれましょう。。。