悪魔の首飾り

WOWOWで「世にも怪奇な物語」を見ました。1968年、エドガー・アラン・ポーの原作を当時の人気監督ロジェ・バディム、ルイ・マル、フェデリコ・フェリーニが監督した3話構成のオムニバス映画。45年も経っているのに、いまだに再放送があると見てしまう。不思議な魅力のある映画です。 特に3話目の「悪魔の首飾り」は、あっという間に引き込まれて目が離せなくなる、僕にとっては永遠の名作なのです。
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破滅的な英国人俳優が魔都ローマに呼び寄せられ、悪魔に命を取られるお話を、フェリーニマジックといわれる濃厚な魔術的な映像で描いています。空港に降り立つ所から、不思議な顔の人々、おかしな動作。人形やカキワリの写真の人々、あらゆる宗教や不吉なイメージが連なる悪夢の様な映像、馬鹿げたコントのような会話。そして終盤の夜の街をフェラーリで暴走する映像、ゾッとする美少女の姿をした悪魔。フェリーニにしか作れない世界が短編の中に凝縮されています。
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当時は最先端だったであろう、スポーツカーやカメラの形も時代を経て別の魅力に変わっているようで、また新しいおもむきが加わっている感じです。