「ザ・コンサルタント」をレンタルしてみました。面白かった。
クリスチャン・ウルフ(クリス)は高機能自閉症児。数学的な能力は並外れているが、意思疎通能力には劣り、様々なことに独自の強いこだわりを持ち、それが引き金になってパニック発作を起こしてしまう。
軍人の父親は妻が逃げ去った後、クリスが将来一人で生きて行けるように、弟には兄のサポートをするように、2人に限界を超えた軍人流のスパルタ教育を施す。
大人になったクリスは田舎町で数学の才能を活かして優秀な会計士として個人事務所を持っている。しかしこれは表向きの顔、実は多数の暗黒組織の会計士をしているのだ。普通あまりに多くを知りすぎた会計士は短命なのだが、彼が生き続けているのは父親に仕込まれた暗殺術や軍事作戦術のおかげなのだ。
ある企業の会計の謎を調査する仕事の依頼を受けて。クリスは超人的な調査能力を発揮して会計のカラクリに迫るが、突然会計責任者が自殺、調査は中止、プロの殺人集団に命を狙われる。しかし、スイッチが入るとクリスは優秀な殺人者にもなるのだ。
現在の事件の合間に過去のクリスの生い立ちが挿入されて、次第に複雑な事情が明らかになってゆく、出演者の皆にも別の顔や事情があって後半次々に伏線が回収されてそれぞれにグッとくる。
クリス役を演じるベン・アフレックは、どの映画に出てもウドの大木感があって不思議な俳優だけど、今回はバッチリはまったと思う。彼のこのキャラクターはシリーズ物になるかもと思うほど魅力的なのです。
どうやってこんな不思議な設定を思いついたのかと思いながら見ていたけど、後半の展開はスーパーマンなどのヒーロー物のような印象です。ヒーロー物を下敷きにして、ヒーローにはつきもののウィークポイント、どうしても克服できない弱点を自閉症にしたらこんな話になったのかもしれません。