YOUTUBEとVIMEOに「TOKYO WALKER 2019」をアップしました。
きっかけは去年のクリスマス、横浜で手持ちカメラで撮ったハイパーラプス。撮影も編集技術も経験不足で、ダメダメな仕上がりでしたが、部分的には奇跡的に綺麗にできていました。そこでもう少し勉強と練習をしてみようと思い、全体をこの方法で撮って一本作ってみようと思いました。
撮影:
基本は手持ちカメラでファインダーを見て、目標と水平を確かめながら、一歩移動して1枚撮影という作業をずっと繰り返してゆきます。
昼間の撮影ではあまり気にしませんが、夜景の場合はブレた写真を撮らないように、撮影モードはマニュアルで最低でも1/50秒のシャッタースピードになるように、絞りと、ISOで調整して、露出計の適正値の−1Ev.~-2Ev.ぐらいに収まるようにしています。
今回の撮影ではほぼf2.0、シャッタースピード1/50、ISO100~800ぐらいの間で撮影できていました。暗く撮れてしまった場合は、raw現像時に露光量を上げて、ノイズもできるだけ目立たないぐらいに調整します。
目標点は撮影の初めに決めて、ファインダーの、センターマーカーやガイドラインやピント枠でマーキングして、できるだけ見失わないようにして撮り続けます。水平はファインダーの水平ガイドを使ってできるだけ外さないように撮ります。
歩幅は最初に計画を立てます。100mの移動で100枚撮影して3.3秒の動画にするなら、1カットあたり1mですから軽く2歩ぐらいだなとか、20mしかないところで100枚撮影したければ20cmはこれくらいかとか、、多くの場合、集中してきて急いでしまうのと、手が疲れて早く終わりたくなるので、予想より歩幅が大きくなって、少ない枚数しか撮れなくなるみたいです。
ちなみに新宿、靖国通り沿いの歩道230mで193枚とるのに17分4秒ぐらいかかっているので1枚取るのに5.3秒かかっているようです。
初めの頃は本当にカメラだけを持って撮影していましたが、両手を上げているのがあまりに辛いので、いろいろ試して、最終的には40cmぐらいに伸ばした1脚を使い、首かけ式のフォルダーに挿してシャッターはレリーズで切るようにして、安定性の向上と手が疲れない工夫をしています。
それから、新宿の有名な歩道橋の所と、浜松町の線路と東京タワーのシーンでは手すりに置いて、手でスライドさせる自作の機材、「Walker2」を使って、1秒のシャッタスピードで撮っています。
編集:
今回は、揺れの補正や角度の修正のために、余白を多めに取って、出来上がりが16:9になるのに対し、4:3の比率で(実際には比率が違いすぎて構図が決めにくかった)rawで撮影した画像を使いました。
Adobe Lightroomでraw現像します。暗く撮れた写真が多かったので主に露光量を上げ、ハイライトが飛びすぎないように下げ、シャドウを上げ、彩度を105%ぐらいにして、ノイズ低減の輝度を調整して、ノイズ処理をしました。同じシーンの写真は全て同じパラメータになるよう同期しました。サイズは変えずにjpg書き出ししました。
各シーンごとにフォルダー分けし、Adobe Bridgeでブレのひどい写真や、失敗写真を取り除き、シーンの番号と連番でリネームします。
Adobe After Effectに読み込んで各シーンごとにガタツキを無くして行きます。
主に使うのは、ワープスタビライザーVFXとトラッキングです。
電柱や街路樹が前を横切っていなければ、奇跡的にワープスタビライザー1回で完成するシーンもありましたが、予想もしない解析結果になることもありました。その場合は怪しい部分をワープスタビライザーの詳細のタブを開けて、トラックポイントを表示、怪しい部分のトラックポイントを選んで削除することで結果が良くなることがありました。またワープスタビライザーを一旦削除して、怪しい部分をトラッキングしておいてから、新しいコンポジションにして、ワープスタビライザーをかけると結果が良くなることがありました。
トラッカーをスタビライズに使用すると各フレームの共通点(撮影する特に目標にしていたものなど)を指定して、各フレームの位置や角度を修正できるのですが半自動という感じで、共通点を自動で解析する機能はあるのですが、一度外すとドンドン外れていってしまうので、その場合は手動でポイントを指定する繰り返しになります。手動でポイントを指定する時、画像の表示を全体表示にしていると、マウスの動くが早すぎてうまく指定できなかったのですが、少し拡大表示にしてやるとポイントを移動しやすくなるようです。
トラッキングは気に入るまでなんどもポイントを動かして適応し直せるので気の長い作業ですが有効ではある感じ。トラッキングを一箇所やったら、また新しいコンポジションにしてワープスタビライザーをかけて、ピクンと動いてしまっっている場所が残ったら、また新しいコンポジションにして
その部分の前後だけ点を探してトラッキングしたりの繰り返し。
ワープスタビライザーは基本的に「位置、スケール、回転」「スケールを保持にチェック」「スタビライズのみ」で使用して、最後の一回かけるときに「サブスペースワープ」「スタビライズ、切り抜き、自動スケール」でビビリをなくして見栄えを整える感じで使っています。1度使用して、新しいコンポジションにしてもう一度解析をかけると、結果が良くなることがあります。この時「レンダリングされたフレームがありません」と注意が出ることがありますが、その場合は親のコンポジションにプリレンダリングをかけることで解決します。
かなり試行錯誤とコツの必要な作業ですが、今回はその部分を覚えたくてやっているので、仕方がないですね。
そんなこんなで。だいたい綺麗な絵ができてきたら、16:9の4KのMP4で全てを書き出しました。
最後にAdobePremiereに読み込み、音楽をつけて、順番を決めて、最終色調整をして書き出して完成です。今回は動きが激しい動画なのでアップロード後のビットレートによる劣化が気になり書き出しの設定を見直していたらずっと1パスでエンコしていた事に気付き、2パスでエンコードしてみました。
しかしアップしてみたら日曜日のせいもあって、YOUTUBEもVIMEOもビットレートが出てないみたいで全編モヤモヤじゃん、、、残念。
今回撮影をしながら考えていたんですが、手が疲れるのを我慢すれば、三脚とか一脚が禁止のところでもハイパーラプスが取れるってこと?実際、昔三脚を立てて怒られた国際フォーラムでも何も言われなかったし、、、KITTEでも何も言われなかったし。三脚が立てられない狭いところや、荒野みたいなところでもハイパーラプスが可能ってこと?。無敵の魔法を手に入れたってこと?、、。しかしその後のスタビライズ地獄を経験して、タイムワープってのがあったなぁ、、GOPRO HERO 7買っちゃおうかなぁ。。という感じ。